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オルタナティブデータ

娘よ、伝統は概して、その長年にわたる歴史や実績、意義から重んじられるべきものでもある。

コロナ禍、社会動向を知るために使用するデータに関しては、その伝統からのシフトが見られるという。

変化に迅速に対応するための必要条件、に絡む自然な流れである。

例えば、人々の消費動向を知るために、「JCB消費NOW」といったクレジットカード会社からのデータ。

外出自粛要請に伴う巣籠り需要からインターネット(クレジットカード決済)を通して購入する人が増えてきたこともあり、消費動向を知るデータとして注目されてきているとのこと。

従来の政府や日銀からのデータとの相関係数も高く、更新回数が2回/月(政府や日銀からのデータが1回/月)であることから、先行指標として活用することができるとのこと。

また、人々の移動動向を見るためには、スマホを活用した「モバイル空間統計」といったNTT DOCOMOからのデータが活用されているという。DOCOMOが保有する8000万台分の顧客データが、マップ上の500メートル角の空間にどのくらいの人がいるか、見える化されたデータである。

興味深かったのが、経済の動向を推し測るために、工場があるエリアにおける人の増減をみて、売り上げ増大を予測する動きも出ているとのこと。生産が上がると人手がかかる工場等の監視には有効であると考えられるし、何より売り上げが立つ前に売り上げが増えることが分かる可能性がある指標になりうる。

ポストコロナでの、変化が早くて大きい時代には、このようなデータをうまく活用していくのが有効となるであろう。

この様なデータを、今までの政府や日銀からの統計データが「伝統的データ」と呼ばれているのに対して、「非伝統的データ」とか、別の言い方では「オルタナティブデータ」と言われるらしい。

社会の変化がもたらす、問題解決においても、その早さから検証時等に参考にすべきデータであると考える。

世の中はこれからより一層デジタル化が進み、AI導入やIoT化により新しく生まれるデータがリアルタイムに監視(モニタリング)され、管理されている。また5Gの導入により通信速度も格段と早くなろうとしている。変化にいち早く気づき対応するためには、変化により顕在化される問題を速やかに解決していく必要があり、そのためには「より新しいデータ」を「より早いタイミング」で活用していく必要があると考える。

唯一の欠点は、過去のデータとの比較(例えば、コロナでは経済的にリーマンショック時のデータと比較されることが多い)ができないという問題とされるが、新しい出来事が起こった時には、過去のデータが必ずしも役に立つものではなく、柔軟に新しいデータを活用していくことがスマートであると考える。

逆に言えば、上記の欠点から、TVに出てくる様なエコノミストは、このデータを活かせない可能性がある。ゆえに、個人の判断が重要となる時代に入ったとも考えられる。

「新しい日常」では新しいデータをうまく使いこなした人が優位性をもつことは間違いないであろう。

 

また、ビジネスをしている各企業においては、自らがもつ非伝統的なデータの潜在的な需要を見出し、世の中に提供することで、社会貢献に役立てたり、収益向上につなげたり、していくことが「新しい日常」を生き抜いていくための一役を担う可能性があるのではと考える。父より