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ファクターX

むすめよ、新型コロナウィルスにおける10万人あたりの死亡者数において、欧米勢が多い(英国62人、伊国56.5人名、米国34.5人、独国10.6人)のに対して、東アジア勢が少ない(0.7人、0.5人、0.3人)ことに対して、科学者達は何か要因があるのではないかと目をつけた。あの山中教授はこれを「ファクターX」と呼ぶ。

科学者たちの間では、「交差免疫説」、「BCG説」等、日々あがってくる情報(現象)から「仮説」を立て、また随時あがってくる論文等や研究からその「仮説」の妥当性を「検証」している。この「仮説」「検証」という作業は、問題を解決していく上で非常に有効な手法である。その中で、直近、有望視されているのは「HLA(ヒト白血球抗原)」の影響である。

体を守る免疫システムに関わる重要な分子であり、全人類には27000種類以上、日本人には260種類あるという。コロナウィルス感染後の重症化に、免疫の過剰な反応(サイトカインストーム)が影響していることからも可能性は高いという。この解明に向け、「コロナ制圧タスクフォース」が立ち上がった。我々にとって非常に頼もしい存在である。最終目的は「有効なワクチン開発につなげる」ことである。

 

有効なワクチン開発は、この新型コロナウィルスに関わる一連の問題、医療体制や経済活動の維持、そして「新しい日常」において極めて重要な役割を果たす。現在、米国を筆頭に各国でかつてないスピードでワクチン開発が進められている。直近のニュースから、米国では7月から数万人規模の最終治験に進み、順調にいけば来年には年間10億本のワクチンが供給可能となるとのこと。これはこれで順調に進んで欲しいが、もし仮にうまくいかなかったケース(効果が小さい、副作用が大きい等)を想定した場合に、バックアップ策が平行して準備されていることは、非常に有意義である。

 

高校生活においても、物事をスムースに進めるためには、本命を過信せず、平行して進めるには至らなくても、事前に「バックアップ」をポケットにしまっておくことを意識していて欲しい。「グッと余裕がでて、気持ちが楽になる」はずである。父より