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面心立方格子

娘よ、金属の結晶構造の話である。これから高校生の化学で学ぶであろう。立方体の面の中心に原子の中心がある構造を、面心立方格子構造という。これに対して、立方体の中心に原子の中心がある構造を体心立方格子構造という。パッとみ似た感じであるが、立方体の中における原子の充填率が違う。面心立方格子の充填効率は74%であり、体心立方格子の充填効率は68%となる。これは、絵を描いて円の半径と立方体の辺の長さの関係を計算してみれば算出できる。少し数学的(図形)な要素もあって面白い。父さんは暗記で覚えて今でも忘れずに覚えている。ケンカでパンチを食らった状況をイメージし、

「体(からだ)に6発(68)、面(つら)に無し(74)」

海外の奇抜な芸術家あたりは、ポストコロナの座席デザインにおいて、充填率の高いこの面心立方格子をイメージし、「新しい日常」への貢献を模索してるかもしれない。例えば、足の高いテーブルや椅子、ブランコみたいなものを組み合わせて、空間的に座席を配置した「集客効率のよい座席空間」なるデザイン。このポイントは「ソーシャルディスタンス」である。

これは、屋外の通気のよい環境であれば、いいかもしれない。室内では、次の点への配慮が設計に必要となる。

「換気」設計である。

コロナウィルスの感染メカニズムの一つは、「エアロゾル」である。ウィルスを含む空気が滞り、その濃度が増すことによって感染のリスクは高まる。「単位時間あたりの会話や呼吸によりヒトが吐き出す空気の量」、「室内容量」、「単位時間当たりの外気の取込み量」等から換気のシミュレーションをする必要があるであろう。当然「室内にいる人数」が影響してくるため、「室内の人数制限」が条件となったり、大きな声を出す場合には「大声係数」を掛けたりする必要があるかもしれない。この観点においては、「ある室内に効率よく人を詰め込む」という発想は矛盾となる。

何かを設計する場合には、一面だけでなく、はじめの内に「思いつく多面」を想定し、「深く考える」ことが重要である。父より