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プロ野球選手の定期PCR検査

むすめよ、プロ野球選手に「抗体検査」を実施したところ陽性者が出てきた。その後「PCR検査」も実施したところ陽性判定に、いずれの陽性者も「無症状」であった。このことは、延期されていたプロ野球の開幕を直前に控えたこともあり大きなニュースになった。今回陽性者は軽微だったのか、その後まもなく「PCR検査」で陰性となった。念のため、復習であるが、「抗体検査」とは、コロナウィルスに感染した後、体内にできるウィルス抗体の有無を確認する検査。

抗体にはIgMとIgGの2種あり、IgMは感染初期にできるが不安定なため検出感度は悪い、またIgGは安定的であるが遅れて出現するため、「抗体検査」では、「感染した」ことはわかっても、「今感染しているか否か」については明確にはわからない。感染力をもっている感染者を隔離する、この目的ではウィルスそのものの有無を確認する「PCR検査」がよい。

さて、ことの重大さに気づいたプロ野球業界は、12球団の代表者による会議をオンラインで行い、選手やスタッフそれに首脳陣「全員をPCR検査する」ことを決めた。早い判断だった。これから「開幕し、野球の試合を続けていく」ために、選手たちの「安全と安心」を確保することが一番と考えたわけである。また、逆に言えば、ポストコロナにおいては、全員をPCR検査しなければ、安心して、開幕し、野球の試合を続けられないということである。プロ野球選手が試合できないということは、その収入源がなくなるということである。観客有無の問題の前に、「まず試合をする、そして試合を続けられる」ことこそが、プロ野球選手の雇用維持されるための必要条件となる。

一検体を検査するのに20,000円、対象者は約2000人。これを月一で定期的に続けていくという。かかる費用は決して安くない。しかしながら、選手を感染するリスクにさらし、「いつ感染するのか」、「知らずに誰かに感染させてしまわないか」、不安を抱きながら、「今日は試合ができるのか」心配な毎日を過ごす、感染者がポツポツ見つかるたびに「全試合を中止する」様な大きなロスを考えたら、賢明である。プロ野球に先立ち、サッカーのJリーグでも同様対応をとると決断している。

無症状感染者をどう隔離するのかがキーとなるコロナウィルス問題において、「PCR検査で全数検査をする」活用方法は、特に先進国で検査キャパが最低であるこの日本において、この第一波で学んだ大きな成果(反省)である。政府には、ぜひPCR検査キャパ増強を計画的展開して欲しい。

スポーツ界に限らず、今後、人と接触することをベースとしていて、感染者が発生することにより、ビジネスを止める判断が困難である職業においては、全数PCR検査を検討することが賢明である。検査の頻度において、月に一回でいいのかどうかは、やっていく中で調整すべきである。緊急事態においては、何よりも「不安」を取り除くことが重要である。はじめは少し過剰ぐらいにし、後で「持続可能である」状態に落としこんでいけばよい。

例えば、抗原検査の精度が上がれば、圧倒的に短時間で済む、抗原検査を代用してもよい。有効なワクチンが開発されれば、ワクチンを打つことが「不安」を取り除くことに変わるかもしれない。

「そしたら、全数検査なんてもう不要、PCR検査キャパも政府が一生懸命一日10万件体制にしたのに勿体ないじゃん」と思うかもしれないが、そうではない。未知のウィルスが襲来した時に「経済活動を維持していく方法の一つの実績」として、また役に立つ。

 

そしてこれらが、ポストコロナの「ニューノーマル」や「新しい日常」の一つになっていく。父より