· 

ナッジ理論

娘よ、ナッジ(nudge)とは、ひじで軽く突いて注意を促すことを意味する。ナッジ理論とは、「肘で軽く小突く程度の小さいアプローチで、さりげなくヒトの良心に訴え、そのヒトの意志による行動を促す(導く)」というもの。こんな理論、聞いたこともなく、知らないかもしれないが、このコロナの中、いたるところで、あなたもその理論の罠にかかっている。

スーパーのレジの前で、床にテープが2メートル間隔くらいで貼ってある。ヒトはそれを見ると、「あっ間隔をあけて並ばなきゃ」と認識し、それに従って行動する。

お店の入り口に、アルコール消毒液のスプレイボトルがおいてある。何も書いてなくとも、「あっ手を消毒しなきゃ」と認識し、プッシュする。

アメリカでは、公園の芝生の上に等間隔でサークルを描いたところもあるようだ。「あっソーシャルディスタンスをとらなきゃ」と意識が働き、カップルや家族単位できちんとサークル内におさまる様に座ったり寝そべったりする。

あるいはトイレには「隣の人は石鹸で手を洗ってますか?」という貼紙がしてあるかもしれない。イギリスの研究では、この言葉が手洗いを促すのに最も効果的であったという。

ヒトはコロナウィルスの様な状況下では、「何かした方がよい」と思っている。ナッジ理論は、こういうヒトに有効に働くという。

何も言わなくても、ちょっとしたきっかけで、人の行動に影響するというのが面白い。

ヒトは「こうしろ、ああしろ」とダイレクトに言われるより、「こうしないといけないのか」をそっと気づかせてあげる方が、そのヒトにその行動にうつす大きな動機になるってことみたい。しかも嫌な気分を持つこともなく。

街に出た時には、他にどんなナッジ理論が仕掛けられているのか探してみるのもおもしろい。

 

ちなみに、家の中に「QRコードを印刷した紙」を壁に貼っておいた。ナッジ理論の偉大なる効果を期待する。父より